私の日記
近所に、やる気のない時計店があって。 小さな店だけど、めちゃくちゃ好立地にあるので、背筋のしゃんとしたお年寄りが長年経営している敷居の高い店なのだろうと思っていた。 数年前置き時計の電池交換に仕方なく入ってみたら、 意外にもちょっとロン毛の40…
お年寄りのご夫妻が手を繋いで 黙って電車が来るのを待っていました。 ずっと以前ひとり旅をしていた時、奈良県のある駅で、向かいのホームに見かけた光景です。 当時はそんな様子が珍しく、微笑ましく心に残っています。(今ではたまにいらっしゃいますよね…
つい先日、日比谷の大銀杏の下で、ひとまわりほど年上のある女性に会ってきました。 どうやら人にはそれぞれ自分の生き方を変えた人が幾人かいるようで、私にとって彼女はそんなひとりです。そしてその縁にも不思議なものを感じます。 かつて、その人が自ら…
雨が降ると「どうでもいいこと」が気になります。 サワガニは今頃のびのびと、人気のない「森」を闊歩しているだろうか。 この雨が止んだら、トカゲは身を潜めていた場所から這い出して、また日向ぼっこをするだろうか。 そんな姿を見たいものだ。と。 そう…
子どもの頃、「青い鳥」という物語の何に惹かれたのかと考えています。 幸せの青い鳥はすでに手の中にあった。 という結末は、様々な経験を経てこそ理解できるのではないか。そう思うからです。 でも、青い鳥というモチーフは、子ども心に沁みていました。「…
レッドリストに載っているキンランは、 他の樹木と菌類を共有しないと生きていけない花なのだそうです。 そんな話を聞いてから、根や菌で会話をする植物の世界が俄然豊かに思えるようになりました。 盗掘も多いので、この花をどこで見かけたかを、語ることが…
電車の扉の端に立っていると、 きれいな水色のダウンを着た中学生ぐらいの男の子が、同じ扉の反対側にやって来ました。 顔の真っ白な、線の細い少年です。 この時期、半ば向かい合わせになるのはやや気になるので、見るとはなしに、なんとなく様子を伺ってい…
ちょっと好きな失恋ソングがあります。 あなたと一緒に来なくても もともと私はこの海が好きなの そんな意味の歌。 その歌が頭に浮かぶのは、鎌倉の材木座海岸を歩く時です。 特に、冬。 失恋などしなくてももともと冬の海が好きなんで。 かつては長靴に履き…
フリーランスで自宅で仕事をすることが多い中でのコロナ禍。 自分で作った家族もなけりゃ、同僚もいない。 このまま人に必要とされないまま生涯を終えるのかな、とマジに思う。(ことが時々ある、) 今年は部屋に蝶のサナギがいる日が多くなった。 今いるの…
久しぶりにジョギングをしてきました。 家の近所にある小川は、昭和50年代にはコンクリートで護岸された薄暗い生活排水のための川でしたが 今は、たくさんの植物や野鳥や魚が集う、地域で大切にされている場所に生まれ変わっています。通るだけで楽しいジョ…
さくらという名前の猫を亡くして、丸3年が経ちました。 半身不随の猫が快方に向かうことを信じていたので(その前に逝ってしまった老猫が脚の麻痺から全快したこともありましたし)、彼女を亡くした瞬間からこのブログを開くことができませんでした。 以来…