ショートエッセイ いきもの語り

年老いた猫が寝たきりになり、見送りました。3年間このブログを開くことを躊躇っていましたが、コロナ禍で感じ続ける生きていることの奇跡と感謝をあらためて綴ってみようと思います。

越冬するモノ 春待つ気分

2か月ぶりに近所(23区内)の「森」に行きました。
足元は枯葉ばかりになっていて、見上げれば夏よりずっと鳥の姿が目につきます。
これまであまり気にならなかったワカケホンセイインコが複数いたので、
「ワカケってこんなにいましたっけ?」
と鳥に詳しい先輩に聞いてみると
ワカケは群れるから、一気に増えたように感じるよね。
だそうで。そういえば単体で見かけることはあまりないなあ。と先輩の知識にもワカケの仲間愛にも感心してしまいました。
去年の今頃姿を見せていたフクロウは、深夜のトラップに姿を撮られていたものの、探し出すことができず。残念。
 
冬はやっぱり少し寂しいなと下を向いて歩いていたら
不自然に緑色をしたものを発見。
クモです。
その色のせいかなんだか幼い感じがして全然こわくありません。
じっと見ていると動かないくせに、
ちょっと目を外すとすぐ葉の裏に隠れてしまう。
なかなかの曲者です。
 
ワカバグモ、という種類で、
幼体で越冬するとあります。
やはり見た目のまま、まだ子どもだったんですね。
 
そうやって、落ち葉の下では小さな生き物が
すでに次の春や夏を待っています。
そんな虫たちが生を謳歌する春や夏の姿を、今のうちに整えておくのが、私たち森のボランティアの冬の「仕事」です。
でも、人手が足りていないようで。
という私も遊びに行っているようなもので、大きな事は言えません。
みなさんが働いているのを傍目に、こうやってちっちゃな生き物を見つけて喜んでいるばかりです。
なんとか近所の若者に、この森の貴重さが伝わって、仲間になってもらえればいいのですが。
大義ではなく、そしたらもっと楽しくなるのに。という個人的な願いからそう思ってしまうのですが。

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ワカバグモ