ショートエッセイ いきもの語り

年老いた猫が寝たきりになり、見送りました。3年間このブログを開くことを躊躇っていましたが、コロナ禍で感じ続ける生きていることの奇跡と感謝をあらためて綴ってみようと思います。

老猫さくら 介護のはじまり

さくら、という名前のメス猫を飼っています。

さくらは、東京の桜新町という町のあるお宅でたくさん生まれた猫の1匹でした。

1999年9月9日、迎えにいくと、町中に鳴き声が響きわたるほど大声を出して、生まれた家を離れるのを嫌がっていました。

桜新町出身の、生まれて2ヶ月のその子猫を車に乗せて背中をとんとん叩きながら帰宅しました。

落ち着かせようと、とんとんしながら「さくら、さくら」と呼びかけました。その時です、彼女の名前をさくらとしたのは。

 

家には2歳半年上の先輩猫がいました。

最初こそ先輩猫にフーフー言われながらも、2匹はとても仲良しになり、

昨年の晩秋に、先輩猫が20歳半で息をひきとるまで17年間常に一緒にいました。

2歳年の差がありますので、先輩猫が亡くなっても、あと2年は元気なさくらと過ごせるものと、飼い主は思っていました。

 

しかし、その日は突然やってきました。

2017年5月8日。仕事から帰ると、苦しそうにもんどり打っているさくらがいました。

2週間に1度ほど、てんかんを起こすので、その発作かと思ったのですが、そうではないようです。

飼い主である私は震えながら救急受付をしてくれる病院に電話をしました。

電話に出られた方が、さくらのうめき声を聞いて

「すぐ連れてきてください」とおっしゃったので

タクシーを拾って病院に向かいました。運転手さんは、病院の場所も知っていて、猫を気遣ってくださったので、道中私も少し落ち着けるようになりました。

 

さくらは、脳梗塞(見立て)でした。

そして、2度と立ち上がれなくなりました。

その日の朝まで、年寄りながら、ぴょんぴょんあちこちに飛び乗っていたのに、です。

 

介護が始まりました。

 

先輩猫の最後の数ヶ月、粗相をどう処理すればいいのかなど、

webの体験談をずいぶん参考にさせていただきました。

さくらは、その猫よりずっと重症で、かかりつけのお医者さんに相談してはいるものの、多くのケースの中から自分に必要な情報を得たいと、やはり今回もwebを頼りにしています。

だから、私も、

これからますます増えるであろう、老猫介護を始める方へ少しでもお役に立ててもらえる情報を共有させていただきたいと、ブログを始めてみることにします。

(ブログは初めてなので、続けられるかどうかわかりませんが。)

 

さくらは、神経質な猫なので、お腹や脚の内側の毛を舐めはがしてしまっています。

さらに今は、左半身がやや麻痺していて、頭の位置を左腹につける姿勢が楽なようなので、非常に奇怪な姿をしています。

が、あえて写真も掲載しようと思います。

これから老いていく猫ちゃんたちと、その猫ちゃんと共に過ごされる飼い主さんたちに、少しでもお役に立てることがあれば嬉しいです。

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