ショートエッセイ いきもの語り

年老いた猫が寝たきりになり、見送りました。3年間このブログを開くことを躊躇っていましたが、コロナ禍で感じ続ける生きていることの奇跡と感謝をあらためて綴ってみようと思います。

昆虫日記

オニヤンマ 羽化しました

トンボの羽化って難しいんですよ。 と、美容師さん(私の担当ではない人)が、髪を切ってもらっている私に声をかけてきた。 その人にとって私は(私にとってその人も)「羽化友達」なので、会話といえば蝶やセミの羽化の話になる。 トンボの羽化は、水からあ…

ふたご蝶

急に寒くなったので 我が家のレモンの木に取り残されていた幼虫たちを緊急保護。 翌日には2匹ほぼ同時に蛹化活動へ突入。 同じ場所を選んでまずは無事、さなぎオブジェとなりました。 兄弟(姉妹)なのでしょうか。 蛹化場所を探しに探した挙句、 同じタイ…

踊りませんか?

2か月ぶりに森に入ると、あちこちからshall we dance?の声が聞こえてきました。つくつく男子も、つくつく女子に僕と踊りませんか?と手を差し出しています。じっと立ち止まってそんな様子を撮る私には小さな虫たちが多数かゆそうな音でshall we dance?と耳元…

鉢の中で

サクラの号令で、待っていましたとばかりに足下でも一斉に花が咲きました。 ヒトリシズカという名前の花も、ひっそり咲いています。 春を待っていたのは私も同じです。 今年は特別な理由がありました。 ベランダでバラを3鉢育てているのですが、そのうち1…

ミンミンの恋?

今年の夏は、セミとのご縁あり。 でも、もうそれも終わります。 8月最後に出会ったのは、こんなセミたちでした。 最初は2匹いるとは知らず、飛べばいいものをなにを歩いているのだと、太っちょのミンミン君を見ていたのですが、 そういうことだったのか〜と…

外来の蝶

影絵のように美しい蝶が突然目の前に現れました。 このアカボシゴマダラ、 関東では1990年代より前は見られなかったのだとか。 外来種と知るといきなりありがたみを感じなくなるのはどうしたことでしょう。 在来種を駆逐しているわけでなければ、素直に受け…

モンシロチョウの背中は青い

今年4度若芽を天ぷらでいただいたご近所のフキの群れ。 ああ、もう花が咲いちゃったな〜あの味は終わりだな〜とその一群を見ていたら、デジカメを向けている人がいる。 さほど珍しくもない光景なのに何をやっているんだろうと見ていると、 その人は私の視線…

クロアゲハにありがとう

生まれて、ちょうど2週間。 静かな朝の光の中で、 蝶が逝ってしまいそうです。 箱の中で行方を失っていました。生きるという行方を。 大好きな餌に目をくれず 飛ぶこともせず 何かに抗っていました。 足を畳んだまま翅を動かしていたけれど その翅の動きも…

冬に羽化

え?いま? と、思わせられ続き。 11月中旬、レモンの葉先で頭を左右にゆらゆら振っている暢気な幼虫を見つけた。 え?今?もうすぐ冬だよ! ということで、緊急確保。 無事サナギになったので安心して越冬態勢に。 と思ったら、12月下旬のある日、黒っぽく…

アゲハの少年

長い梅雨の間、 名の知らない小さな虫たちが葉っぱの裏にいろいろな仕掛けをして生き延びようとしたようで、 おかげで、梅雨生まれ梅雨育ちのアゲハは サナギになるのが精一杯。 羽をつけることができませんでした。 ある日、梅雨生まれさんのエサにと切り取…