ショートエッセイ いきもの語り

年老いた猫が寝たきりになり、見送りました。3年間このブログを開くことを躊躇っていましたが、コロナ禍で感じ続ける生きていることの奇跡と感謝をあらためて綴ってみようと思います。

踊りませんか?

2か月ぶりに森に入ると、
あちこちから
shall we dance?
の声が聞こえてきました。

つくつく男子も、つくつく女子に
僕と踊りませんか?と手を差し出しています。

じっと立ち止まってそんな様子を撮る私には
小さな虫たちが多数かゆそうな音で
shall we dance?
と耳元でささやきます。
虫の撮影をするのに、虫をやつける煙を身に纏うわけにいかないので、
情けないことに早々に退散してしまいました。

虫たちが踊れる季節が今年もやってきて良かったと思う反面、
今年はカブトムシの姿を見ていないのよ
と話す仲間の声が気になります。
遊びをせむとや生まれけむ
という言葉があるように、
生き物は夏の祭でどれだけ踊ることができるか
そんなことのために生まれて来るのかもしれないなと考えたりしています。

ツクツクボウシ出会いの瞬間