ショートエッセイ いきもの語り

年老いた猫が寝たきりになり、見送りました。3年間このブログを開くことを躊躇っていましたが、コロナ禍で感じ続ける生きていることの奇跡と感謝をあらためて綴ってみようと思います。

蝶の朝食

ふつうの小さな蝶々です。
たいして珍しくもない。
 小さすぎて気にもとめない。
もし黒い紋がなければ、ひょっとしたら珍しい種だったかもしれない。
 
朝食後、
少しだけふらふら歩いていたら出会いました。
それだけのご縁です。
でも
よくよく見ると、かわいいです。とてもとても。
この花の上で無心に蜜を求めていました。
 
昨日、
7億年前に誕生したと言われる生物の研究者と話をしていて、
そりゃそうだと思うのですが、
生き物の構造のすべては、食べることに集約されている。
それを確認したところです。
 
以前私の部屋で羽化したアゲハは、
満腹を感じなかったのか、
皿の上に置いた蜜を吸えるだけ吸って、
飛ぼうとしてもボトっと下に落ちるほど
重い体になってしまいました。
 
自然界の蝶は花の蜜を少しずつ少しずつ体に入れていきます。
それがその日最大の目標で、おそらく唯一の仕事です。
きっとこの花にはたくさん食べ物があったのでしょう。
ちょっとずつ近寄っていきましたが、
こちらを気にせず、しばらくここでくるくる回っていました。
今日は何を食べましょう。
明日の朝は何を?
生まれてこのかたずっと「食べる」を続けてこられたことに、感謝しようと思います。

クロマダラソテツシジミ