老猫さくら 介護の技術

年老いた猫が寝たきりになりました。彼女とどう付き合っていくか。介護の実践と思いを綴っています。

介護と、トルコキキョウ

トルコキキョウを買った。
何年ぶりだろう。自室にトルコキキョウを飾るのは。
実はどうも猫は(我が家の、限定かもしれないが)この花の花粉が大好きなようで、
花に頭を突っ込んで「花の中身」を舐めては枯らしがちだった。
なので、猫が元気なうちは、この花を飾れなかった。

今日、園芸店に行ったら、風知草の鉢植えがあった。
その繊細な色と伸びやかな葉のラインが大好きで、いつかベランダを風知草でいっぱいにしたいと思っていたが、
それもずっと諦めざるを得なかった。
猫は、尖った葉っぱが大好きだから。

園芸店で風知草を見た時、
あ、もうこれ、買っていいんだ。と思った。
今やもうベランダにさえ出られなくなった猫しかいない。
だから、もう、いいんだと。
ちょっと寂しかった。

園芸店の帰りに、切り花を買おうと近所の花屋に入ったら
日曜日だからか暑いからかあまり種類がなくて、
ほとんどがトルコキキョウだった。

トルコキキョウは、
日本で売られている切り花の中では、菊、バラカーネーションに次ぐ売り上げを誇る人気の品種らしい。

それほど人気の花を、買えなかった。何年も。
「もう、いいんだ」と思ったらいささか悲しくなるので、
鉢植えの風知草にはまだ手を出せないが、
トルコキキョウ1本ならと、買ってみた。

この花の香りに、寝たきりの猫はちょっとだけ頭を持ち上げて反応したが、
花より昼寝、とばかりにくーんと鼻の奥を鳴らして
目を閉じた。

つまんないの。
と、飼い主は、思う。
ちょっとは喜ぶかなと思ったんだけどな。

今まで諦めていたものを、諦めなくてもいいんだ、
となったことが喜びなのか悲しみなのか。
少々複雑な午後である。

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